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五竜岳登山記 (2010年9月25、26日)  齋藤 元

 

王友会に投稿されている玄人登山家とは違い、私は60歳前後から始めた登山、いやトレッキングの域を出ていないかもしれません。

女房の女性友達に誘われて至仏山(尾瀬)に登ったのが始まりで毎年一つか二つ百名山に登る様になりました。

今年5月、友人と白馬に行ったとき、白馬駅前にそびえる武田菱の残雪で有名な五竜岳に魅せられました。いつか登って見たい、体力のある内に。

友人がまた誘ってくれた山荘をベースに9月25日、26日決行。八方尾根コ−スと遠見尾根コ−スがあるが、ガイドブックに習い楽な八方尾根コ−スから登り、遠見尾根コ−スで下りることにしました。八方尾根のゴンドラリフトで同席した人に聞くと19名のグル−プとのこと(女性が3分の2を占め、見るところ全員60歳代半ばぐらい)、私と同じコ−スの様だ。私は一人登山だが、このグル−プの前後にいたら安心と思い、登山開始。朝方は晴れていたので、白馬三山、鹿島槍ケ岳がすばらしい。写真を撮っていると(休んでいると)どんどん抜かされる。

左側双耳の山が鹿島槍ケ岳(左;南峰2889m、右;;北峰2842m)

右側が明日昇る五竜岳(2814m)

 

八方池では水面に映る白馬三山を寝そべって撮るのがコツとプロに教わったことを思い出し、寝そべると皆が真似しだした。ところが白雲が三山を覆ってしまいがっかり。

白馬三山が雲に覆われた為、左隣の天狗の頭(2812m)と水面に映る山々を撮る。

天狗の頭(2812m)と水面に映る山々

 

2年前に唐松岳(2696m)に登ったので、ペース配分が判り、まあまあ順調に唐松岳山荘に到着、富山県側は雲で唐松岳は全く見えず。昼食を取り、出発準備をしていると例のグル−プが山荘に到着。女性の方は会話が弾み、男性群は疲れている様子。

 

さあ、これから五竜山荘まで牛首の難所を越えなければならない。気を引き締めて進むとクサリ場に、10cmにも満たない岩場の段差に足を預け、鎖に摑まりながら次の一歩の段差を探す。このような鎖場が4、5箇所、緊張のあまり、時間の感覚が全くなくなりました。それから尾根伝いに登ったり下りたり、足の付け根が痛くて痛くて、歩幅が段々小さくなって老犬のような歩き方になって行くのを感じました。

 

途中雲の間から剣岳山頂だけが顔をだしましたが、映画を思い出し恐ろしくなり見ないことにしました。

雲間に見えた剣岳

 

やっとのことで山荘についたのが、午後3時、2時間半かかりました。地図上のコ−ス時間を見ると何と2時間半で、同じでした。ちょっと自信が出てきました。

1時間遅れて、例の初老グル−プが全員到着しました。日本の老人パワ−はすごいと感心しました。

 

5年前に書かれていたインタ−ネットの山荘の夕食メニュ−は当日も同じカレ−ライス、スプ−ンの底を舌に当てて食べるのがコツとか。

前の席に座った一人登山の細身の若い女性は唐松山荘を出たのが遅かったが、1時間半で着ましたとさらっと言ってのける。おやおや、外見とは全く違う、上には上がある。

 

翌朝、快晴、山荘でご来光を拝む。朝日に映る赤みを帯びた五竜山頂の上に白い月、ここでしか、この時間でしか味わえない光景にひたりました。

 

 

さあ、山頂を目指し、急坂を登る、心臓が漠々、昨日の足の痛さはそのまま、そびえる岩場に到着、ところが昨日の岩場に慣れたせいか、上を見ず、下を見ず、ただ目の前の岩だけを見ながら登ると、心臓は落ち着き、足の痛みも忘れてついに山頂(2814m)へ、

立山連峰の全景が見渡せました。昨日とは違い、剣岳が近くに神々しい姿を現しました。

山頂への岩場

 

山頂にて、遠くに剣岳

 

槍ケ岳(3180m)を遠望する

 

神々しい剣岳(2999m)

 

ところで、すぐ前を登っていたテントの入った大きなリックを担いだ一人登山の若い女性、これから隣の鹿島槍ケ岳へ縦走するそうで、狭い痩せ尾根に向かって行きました。今の若い女性は度胸があると感心しました。

 

さあ下山、岩場を下りるのは、下を見なければならず、登るより怖い。やっとの思いで山荘まで戻り、遠見尾根伝いに四つの山を登ったり下ったり、雲が多くなり眺望もきかず、ただただ下を見て歩く。狭い山道で昼食する場所もなく、とうとう麓まで、山荘の弁当を開くと鮎の甘露煮、お腹もすいたせいか昨日のカレ−ライスとは大違い“うまい”。

両日とも朝方だけ晴れ幸運でした。

右下赤い屋根が五竜山荘、中央奥に白馬鑓ケ岳(ヤリガダケ)

(下山途中撮影)

 

今や老若を問わず女性の方が登山する人が多いことと、初老のグル−プ登山者が多く、皆健脚であることに驚かされました。

 

小生、若いと思い込んでいましたが、来年早々前期高齢者となり初老グル−プの仲間入りです。体力維持に努めなくては!!

                                                                 

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