「会社退職後の生きがいつくり」

趣味やボランテアーへの心構え

 

JAOのメンバー  森 健さんのアドバイス

    

地域社会・福祉の世界は全て「現場」であります。理屈・理論で云々する問題ではありません。然しながら伝達の方法がありませんので、あえて文章で表しますが、その点ご了解方お願い致します。

近年、定年後の男性が、会社生活から離れると完全に「居場所」を失い家庭の中でも孤立し閉じこもってしまう人が如何に多いかと言う事に驚かされます。

地域社会は元気印の「おばさん」が闊歩し、しょぼくれた「おじさん」の出る幕は全くないというのが今の姿です。

それでも、シニア男性の中には何とか地域社会の中に入り込もうとして、敢えて挑戦を試みますが、如何せん地域社会は「現場」であり、全くの「経験」のないシニア男性が変な理屈を並べても、ものの見事に打ち砕かれて、すごすごと引き下がり家庭の隅に追いやられてしまいます。

家庭でも最早、地域活動・ボランティアに「自己実現」を謳歌している奥さんに何とか喰らい付いていこうと努めても「わしも族」「濡れ落ち葉」と罵られているのが現状です。

ここでそれらを振り切って、戦えるのはもう一度「勉強」をし直して「資格」を取り、ある程度の収入を得る事が一番です。然し之は殆ど不可能です。

 

その次の策としては、一般の人が行えるのは「趣味」か「ボランティア」です。

 

・「趣味」は難しいものではなく高齢者でも取り組めて仲間でやるのが一番でしょう。

「淡水彩画」2時間位で簡単に書き上げる事が出来、特に郊外に仲間と行き描き終わっ    た後はその仲間と講評会と称して一杯やるという楽しみを持つ事です。

「コーラス」・・・男性だけでも良いが混声であればもう一つ良い。声を出すと言う事は健康に非常に良いし女性とのハーモニーを愉しむ事が良い。歌の上手・下手は関係ありません。。

「男の料理」・・・男は本来料理が上手である筈でありますしその上、男が料理を習うと言えば、奥さんの絶大なるサポートがあります。

 

・「ボランティア」は数限りなくあり、選り取り見取りでありますが、これ程難しいものはありません。

先程申し上げた勉強して資格を取ればと言う事は「地域社会・ボランティア」の世界にも通じ、比較的有利な仕事に着くことが出来ます。

然しある程度の年齢になりますとこの勉強をしたり資格を取る事が非常に難しい事になります。

大多数の方々が完全な無経験でその世界に飛び込まざるを得ません。

福祉の世界では今も人手が不足し、特に高齢者の男性でも出来る介護分野は多くありますが、かりに資格が無いとすれば、例えば「小学生の通学の見守り」「高齢者の話相手」から始まって「公園の清掃」など地域のボランティアセンターで紹介はして頂けます。

然しこれはやってみると「良い会社の卒業生」程、直ぐに行き詰まります。

何故なら自分の過去のステータスが中々捨て切れないからです。

それともう一つ重要な事はボランティアをする相手に対して何々をしてあげると言うように自分を上位に考えて仕舞います。これが、人間関係をおかしくしてしまいます。

 

「ボランティア」をやる場合一番重要な事は、

ボランティアは人のためにするのではない。

まず第一に自分の為だと考えて取り掛かれるかと言う事です。

ボランティアをする事によって第一に自分の心も身体も健康で元気に成れる、そしてその先に相手の幸せがあると言う事として考えられるかと言う事です。

この事が「ボランティア」をやろうとするシニア男性が第一番目に心すべき事です。

この様になりますが、冒頭に申しておりますように

「地域社会・ボランティア」は「現場」の話ですので、

文章ではなく言葉と態度で伝えるものだと思います。

 

著者紹介;

     健康・生きがいつくり アドバイザー

     東京都中高年勤労者福祉推進委員

     ホームヘルパー 2級

     東京都福祉サービス第三者評価員

       森  健 さん

     e-mail: moriken69@mte.biglobe.ne.jp

 

           横浜市青葉区在住。会社OB歴10年。

     自らの実地体験にもとずき、地域の人々にアドバイズをされている方。

     甘利敬正元会長の知人。

 

 

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